心臓ペースメーカーはハッキングできる?

日本でも、携帯電話なんかの電波でペースメーカーが誤作動するとかしないとか話題になりました。今回の話は「ペースメーカーやほかの医療器具は違法な遠隔操作が可能なのでは?」という趣旨で、日本での議論を一歩進めた形になっています。
Heart-Device Hacking Risks SeenWSJ.com)
によると、ペースメーカーや自動体外式徐細動機には心拍数調整などのため外部から操作できる機能がついており(外科医のみが操作する機械=programmerを購入可能)、ハーヴァード・メディカル・スクールの循環器学者らが「操作に用いる信号の波長が解明されてしてしまえば、患者の心拍数を違法にいじることができる」と指摘しています。脊髄刺激療法に用いる器具や薬品投与器具など、電波で遠隔操作する医療器具であればほかにも対象になる可能性がある。
携帯電話であらゆる医療器具が狂ってしまう、と危惧するよりは「強い電波を出せば医療器具をハッキングできてしまう」と考えるほうが、より現実的なリスクに迫っている感じもします。もちろん、電車のシルバーシート付近や病院内などでの携帯電話の使用は、常識的に考えて絶対に控えるべきだと思いますが。

Millions of Americans have pacemakers, which keeps hearts beating regularly, or an implanted defibrillator, which can restart stopped hearts with an electric jolt. After implanting a defibrillator under a patient's skin, a doctor uses a special device, about the size of a breadbox, to tell the defibrillator what to do -- for example, to instruct it to keep the heart beating at a certain rate or deliver a test jolt.

The devices, called programmers, communicate with a defibrillator using radio waves. To prevent tampering, only physicians are allowed to buy one from the manufacturers -- Medtronic Inc., Boston Scientific Corp., and St. Jude Medical Inc.

But hackers could transmit the same radio signals -- causing a defibrillator to shock or shut down, or divulge a patient's medical information -- without needing a programmer, researchers found in a laboratory test of one model from Medtronic.

The study, to be presented at a California computer-security conference in May, suggests manufacturers should consider how to stop unauthorized people from tampering with implanted medical devices that receive instructions via radio waves, a growing category that also includes spinal-cord stimulators and drug-delivery pumps.

この記事に話を戻しますと、とはいえいくつかあるProgrammerメーカーでも、現在違法な操作が可能と判明したのはMedtronic社製のものだけ。同じメーカーのBoston Scientific社は「信号は暗号化されており、ハッキングされるリスクは低い」と話し、くだんのMedtronic社は「機能が徐々に洗練され、第三者が勝手に操作するリスクは低い。パスワードを設定するなどセキュリティを強化しすぎると、医者が緊急時に即座に使うことができなくなってしまう」といった内容の返答をしています。……ちょっとダメな匂いが漂ってますね。
研究者からの指摘を受けてアメリカ食品医薬品局FDA)では、「前に一度同じようなことを試したが、実際に無関係な人間が許可なく操作できる可能性はとても低い」とコメントしています。
この記事でもう一つ興味深かったのは、

The study is the latest in a series that have found flaws in the security of wireless-communication systems -- from remote-control car keys, to Bluetooth telephone headsets, to the Wi-Fi technology used to connect to the Internet, to radio-frequency credit cards that can be "tapped" to make payments.

という部分です。
遠隔操作の自動車のカギ、ブルートゥースの電話端末やWi-Fi技術、さらに電波のやり取りでキャッシュの出し入れをするクレジットカード。巷には電波を利用して遠隔操作できる機械がたくさんあり、それらがハッキングされ不当に利用される危険性は常に真剣に検討されるべきだと思います。

これはひどい:人権擁護法案は被訴追者への救済を想定せず

産経というメディアはとても独特な色を持っていて、個人的にそれほど好きではありません。
ですが、このニュースが本当ならあまりにも酷い。
人権擁護法案はポストモダン?推進役の東大教授に異論噴出MSN産経ニュース

人権擁護法案の提出を目指す自民党人権問題調査会(会長・太田誠一総務庁長官)は11日、党本部で4回目の会合を開いた。平成13年に法案の必要性を答申した「人権擁護推進審議会」(法務、文科など3相の諮問機関)の元会長、塩野宏東京大名誉教授が経緯などを説明したが、出席議員から異論が相次いだ。

 塩野氏は「法案はポストモダン的なもの」で、人権委員会を「救済制度の至らないところにどこへでも足を伸ばすアメーバ的存在」とたとえ、法案の必要性を強調した。

 これに対し、出席議員からは「個別法で解決できないアメーバ的な人権侵害事案とは何か。法理論だけで済む問題ではない」(西田昌司参院議員)、「裁判所に匹敵する権限を持たせた委員会から、表現の自由への脅威をどう排除するのか」(稲田朋美衆院議員)など異論が相次いだ。

 また、塩野氏は加害者として訴えられた人の救済措置が不十分との指摘には「救済制度をつくることはあまり念頭になかった」と不備を認めた。

 調査会は14日も会合を開き、反対派の百地章日本大教授(憲法学)と、推進派の山崎公士新潟大教授(人権政策学)から意見を聞く。(強調はatomon)

ある意味「反共カルト」に近い産経のことですから(朝日は「反日カルト」かもしれませんが)、塩野名誉教授の片言隻句をとらえて誇張しているのかも知れず、この記事だけでは判断がしづらい部分ではあります。が、「救済制度を作ることはあまり念頭になかった」はひどすぎる。塩野名誉教授は行政法がご専門だそうですが(行政法学者がポストモダンを口にするってのも、笑えないジョークですね)、法学者のいう言葉とも思えません。


現行の法案を読んでみると、確かに加害者の弁明や異議申し立てといった救済措置に関する記述がまったくない。
刑事訴訟では「推定無罪」、「疑わしきは罰せず」という原則があります。そして、地裁から最高裁まで三審制がとられている。こうした考えは、国家権力が万が一人を間違って訴追してしまった場合を考え、幾重にも張り巡らされたセーフティネットと言えます。しかし、この人権擁護法案では人権委員会人権擁護委員への歯止めが全く存在していない。この法案は刑法ではなく行政措置に連なるものですが、人権委員は実際のところ裁判所と警察をかねるほどの裁量権を持ちます。それなのに、彼ら人権委員の弾劾措置などは影すら法案に見えない。


この法案の議論については、Wikipediaの記述が比較的公平かと思いましたが、そうでもありませんね……。たとえば、Wikipediaには罰則規定に説明の誤りがあります。人権擁護法に違反してもそれ自体に罰則は課されない。人権委員らの公務執行を妨害すると罰金を課されますが。もう少し適切なリンクを探したいと思います。確かに人権擁護法案は問題がとても多いですが、右翼の扇情的な反対キャンペーンに巻き込まれるのはごめんです。
それで、法案を読んでいて気になったことがひとつ。この法案では、労働関係の人権擁護規定がとても長いんですね。男女機会均等や船舶関連の労働従事者なんかの人権を擁護するためのものらしいんですが、関係条文を記載する必要があるためかとても詳細に書き込まれています。
ここを読んだときに「ああ、雇用関係における被差別者たちの権利保護こそ、この法案のキーポイントだったのかもしれないな」と思いました。メディアでも取り上げにくい部分でしょうが、被差別者たちからすれば、表現の自由なんて話より明日の御まんまの方が切実ではないでしょうか。


海外に行っていたり帰国しても仕事が忙しくて、これまでこの法案を直接読む機会がありませんでした。ですが、これは凄い法案ですね。
差別はもちろん、絶対に許せません。それに、人権擁護をきちんと監視する組織が(お役所に対しても私人に対しても)あってもいいとは思います。ですがこの法案のように、差別を排除するためなら公共の利益とのバランスを著しく欠いてもいい、という理屈は受け入れられません。
とりあえず、いろんな観点から学ぶことからこの問題への取り組みを始めていきたいと思います。


後記:
この法案では表現の自由の侵害がよく問題視されますが、もっと根が深い気がします。「人権擁護」の美名の下に、ここまで国家権力の拡張を許していいのか。近代社会の市民権はどこへ行ってしまうのか。海外では「テロとの戦い」と市民権のバランスがしばしば議論されますが、なぜ今さら「人権擁護」のためにここまで国家権力の介入を認めなければならないのか。
リバタリアンだのオーソリタリアンだの、国家権力と個人・社会の関係については、法哲学のごく基本的な論題です。この視点からの冴えた論考を探したいのですが、日本の法哲学者は一体何をしているんでしょうか?法哲学会年報では、2004年号でリバタリアニズムについて、2005年号で現代日本での法の支配を特集しているようですが人権擁護法案をタイトルにすえた論文はないようですね。
また、この分野の学者たちは人権擁護法案に対してどんな見解を出しているのでしょう。フォーラムやシンポジウムも主催してないのでしょうか?もし何も開催してないしアピールも出していないなら、彼らの人としての良心とプロとしての存在意義を少し疑いますね。

ブラジルの劣悪サトウキビ農園の運営企業にビル・クリントン前大統領が出資

Clinton link in Brazil ethanol probe(AP)
がそのように報じています。

A team from Brazil's Labor Ministry found "degrading" living conditions for 133 sugarcane workers employed by an ethanol company whose investors include former President Clinton and other high-profile financial players.
At five sites inspected, workers "complained they were suffering from hunger and cold, and all of the locations were overcrowded and with terrible sanitary conditions," according to a statement issued Friday by Jaqueline Carrijo, who led the inspections last month.
The target of the probe, Brazil Renewable Energy Co., known as Brenco, apologized over the weekend and said it is fixing the problems at its rural operations, which turn sugarcane into ethanol.
Clinton's connection is via an investment in Brenco by The Yucaipa Cos., a U.S.-based fund in which Clinton was a senior advisor until last year. His investment in Brenco is valued between $15,001 and $50,000, according to a financial dislosure report submitted last year by his wife, presidential candidate Hillary Rodham Clinton.(強調はatomon)

この報道によると、ブラジル労働省が新エネルギー系企業Brenco(Brazil Renewable Energy Co.)の運営するエタノール精製用サトウキビ農園で労働環境が著しく不衛生かつ貧相であるとして、立ち入り調査を実施。このBrencoにはアメリカ民主党系の大物ロン・バーク氏がトップの投資ファンドYucaipaが出資しており、さらにその出資者にビル・クリントン氏や財界要人が名を連ねている、とのこと。
YucaipaのBrencoへの出資比率は2・8%で、このファンドの顧問を昨年まで務めていたクリントン(夫)氏の投資益は1万5000ドルから5万ドルの間。クリントン氏の報道担当者は「出資額は小さいものであり、出資に当たっては『最高の労働基準で運営する』と聞かされていた」と説明している。このBrencoへは、ほかにもサン・マイクロシステムズ社の共同創設者であるビノッド・コースラ氏、AOL設立者のスティーブン・ケース氏、ハリウッドプロデューサーのスティーブン・ビング氏、そして元世界銀行総裁のジェームズ・ウォルフェンソン氏が出資している。
Brenco側は調査対象となった多くの労働者たちの住環境に問題があったことを認め、早急に調査・改善手段をとっていると説明しているようです。
クリントン氏の名前もそうですけど、この米ファンドが思いっきり民主党系である事実が大切な気がします。労働問題には共和党より敏感であるべき民主党ですが、南北問題の次元では両者とも大差ない、ということかもしれませんね。


おりしも、小池百合子防衛大臣(元環境大臣)が「バイオエタノールの開発を中止すべき」毎日Jp.)とぶち上げて話題になっていますが、確かにサトウキビやトウモロコシから精製されるバイオエタノールは様々な問題を指摘されていますよね。
上に書いたような労働問題でも、すでに日経などのメディアが報じています。

◆ブラジルでエタノール価格急落――サトウキビで労働問題も浮上(市場の話題)
2007/08/18, 日本経済新聞
 バイオエタノール代替エネルギーとして注目されるなか、ブラジルでエタノールの卸売価格が急落している。
 応用経済先端研究センターの発表によると、エタノール(加水アルコール)一リットルあたりの卸売価格は、今年三月末時点で約〇・九六レアル(一レアル=約六十円)だったのが八月十日現在、約〇・五八レアルと三九・七%下落。四月ごろから始まった原料のサトウキビの収穫期がピークを迎え、生産過剰が顕著になっていることが背景にある。
 今年度のブラジル国内のエタノール生産量は、サトウキビの栽培面積の拡大や品種改良で昨年度に比べ約一四%増の二百億リットルに達する見込み。国際相場の上昇で、生産業者もサトウキビから作る製造比率を砂糖よりエタノール向けに大幅にシフトさせていることも増産に拍車をかけている。
 値下がりに加え、新たな問題も浮上しつつある。サトウキビの刈り取りを行う季節労働者の過酷な労働実態が問題化。なかには一日に十二トン以上も収穫することを条件に「奴隷のような」契約を結ばせたり、児童就労をさせたりする業者も出現した。国営石油会社(ペトロブラス)はこうした悪徳業者からの買い取りをしない姿勢を打ち出し、対応に躍起になっている。
 一方、同国政府は今年三月のブッシュ大統領のブラジル訪問の際に批准した米国とのエタノール共通市場創設に向けた準備も迫られている。先月、米政府高官八人が訪問し、エタノール取引の活性化策や、第三国での生産への技術移転策を協議した。
 INMETRO(国家度量衡・規格・工業品質院)は今年末までに、国内で生産されるエタノールに含まれる不純物の割合などの品質基準を策定する見通し。今後、エタノールの価格安定に向け、ブラジル政府は生産拡大と品質の保持、さらに労働環境の改善への努力が試される。
サンパウロ=岩城聡)

以下のリンクも、なかなか面白いです。
エタノールの負の側面=食糧インフレに環境破壊ニッケイ新聞←ブラジル現地の日本語メディアのようです)
ルポ記事:エタノール生産の過酷な労働スウェーデンの今)


ニッケイ新聞の指摘にもあるように、ブラジルでの急速なサトウキビ生産拡大は、労働問題以外にもサトウキビ農園周辺の環境破壊も招いています。
ブラジル政府 サトウキビのアマゾン等侵略の禁止へ バイオエタノール輸出への悪影響を恐れる(農業情報研究所)
現在のバイオ燃料は持続不能 第二世代燃料にかけるとEU環境担当委員(農業情報研究所)


私たちの生活の中でも、サトウキビやトウモロコシの価格が高騰が懸念されたりしていますよね。
アメリカ政財界の人々は、サブプライム問題を見ればわかるように、当事者たちのリスクを回避する手段を確保したら割と無謀なことを平気でやる傾向がある気がします。この新エネルギービジネスも、「フロンティア」といえば聞こえはいいけど投機的な対象になりすぎて、ややバブルに近い印象を受けますね。
こんなアメリカや南米の動向などは放っておいて、日本には本当の意味で持続可能な新エネルギーの開発を進めていってほしいものだと思います。

よみがえる京大サイクロトロン

ちょっと前から話題になっていたようですが、京都大学で戦時中の国内核開発プロジェクトをめぐるドキュメンタリーが上映されるみたいですね。
京大サイクロトロンのドキュメンタリー映画を制作 東大の研究生MSN産経ニュース

戦時中、核物理学の研究のために建造され、終戦直後にGHQ(連合国軍総司令部)が原爆開発への転用を防ぐために破壊した京都大学の「サイクロトロン加速器)」の実像に迫るドキュメンタリー映画を東大の研究生らが制作し26日、京大付属図書館で上映会が開かれる。一部の部品が廃棄を免れ、京大施設に保存されるまでの経緯を探った。封印された科学史の一断面に光を当てた作品といえ、研究生らは「戦後60年以上を経て、改めて戦争と科学を考えてほしい」と話している。

 タイトルは「よみがえる京大サイクロトロン」。科学史を専攻する東大総合文化研究科研究生の中尾麻伊香(まいか)さん(26)らが約1時間の作品にまとめた。
(中略)
終戦当時学生だった京大の竹腰秀邦名誉教授ら関係者にインタビューを重ねたほか、GHQが撮影したフィルムなども使用して映画に仕上げた。

京都大学サイトでのお知らせ
3月26日午後2時から京大図書館で、午後5時からカフェ「進々堂」で上映されるそうです。残念ながら私は仕事があって行けませんが、歴史の影に埋もれたストーリーでもあり、とても貴重な資料を駆使した作品のようです。興味をもたれた方は足を運ばれてはいかがでしょうか。


以前、戦前・戦後にまたがって活躍した科学者・中谷宇吉郎が書いた「科学と社会」(岩波新書)という本を読んだ。
その本によれば、士官学校選り抜きの秀才であり、科学的教育をひとしきり受けているはずの軍幹部たちの科学に対する認識は酷いものだった。
「千年の悦楽 一夜の彷徨」さんのエントリーにそのやり取りが挙げられている。

中谷宇吉郎は『雪の結晶』の研究でも有名な人だ。その彼に軍部より依頼があったという。それは千島列島や北海道の霧を晴らしてくれというものだったそうだ。確かに釧路など濃霧で有名だ。視界を遮るので航空機の滑走のじゃまになる。
 科学者中谷宇吉郎としては、地表から上空に至る霧の濃度を測り、水滴を蒸発させるだけの熱量を試算した。滑走路の霧を消すだけなら重油ドラム缶20本もあればよいということになった。
 ところが軍は『重油をドラム缶20本も使うくらいなら科学者なんかに頼むまでもない。』と言ったそうなのだ。重油はあまりに貴重で、軍でも調達できないものだったのだろう。
 しかし中谷宇吉郎は言う、『なにか呪文のようなものを書いて、それを一度ふればいいというようなことならば、科学者はいらない。それならばどこかの行者に頼めばいいのである。』(から引用)

今手元に本がないので詳細な引用ができないが、確か中谷は、ほかにも当時の国会で軍部が行った日本の科学力に関する答弁がとても酷いものだった、といった述懐をしていたと思う。


当時、軍人たちは一体「どこ」を見て、「何」を目指して戦争していたのだろう?
私は朝日新聞日教組が大好きな、当時の行いをイデオロギッシュに全否定する(自虐的な)史観にくみしない。けれど、やっぱり戦争は負けたらダメだ。そして、負けとわかってる戦争を早期終結させるでもなく、竹やりまで持ち出して続ける正当性は全くない。
中谷と軍部のやり取りにみられる、科学というもおこがましい単純な理屈の積み重ねの拒否。国体護持の精神論を唱えても、最後は天皇を守護することもできず、ガダルカナルやレイテ島で次々と死んでいった日本兵満州に取り残された在留日本人たちの尊厳を踏みにじり、多くの軍高官たちは敗戦に至っても「戦陣訓」すら忘れ自裁しなかった。


当時の状況については、あらゆる行政部署が最終的な責任を他人に譲り合ってた「無責任の体系」という説明のされ方が有名だけれど、なぜああまで軍官僚たちは臣民兵士に対して無慈悲、天皇に対しても無慈悲(戦争にあんな負け方したら天皇の責任も重いものになる、なんて馬鹿でもわかる理屈であって)であることができたのだろう?軍部や官僚は国民や天皇の精神性を搾取する一方で、驚くほどヒューマニティが欠如している。


今回は見ることができないけれど、もしかしたら「よみがえる京大サイクロトロン」の中に少しは何かヒントがあるかもしれない。機会を見つけてぜひ見てみたいものです。

Nice Joke.

ニューヨークヤンキース松井秀喜選手の最近の記事なんですが、
松井秀、安全運転のけん引役に=米大リーグ(MAJOR.JP)

同社は、京都議定書に基づく温室効果ガス排出量の削減などに向け、全国14万人の運転手に対し、環境問題の徹底と交通事故防止を目的とした「エコ安全ドライブコンテスト」を実施。同選手が、社会奉仕活動として無報酬で引き受けた。

でも松井選手って銀座で事故起してましたよね?
ヤンキース松井が銀座で追突事故!(nikkan sports)
この記事読むと、事故起したのって去年の12月じゃないですか。しかも追突だから、基本的に松井選手の責任。
無報酬かもしれないけど、交通安全の話なんて本人が節度を持って断るべきじゃないかなあ。

都内のルオー展+

ミクシィのコミュで知らせていただいた情報。
ルオー展: ギャラリーためなが
地図はこちら
会期は、
・前期:2008年3月 1日(土)〜 3月19日(水)
・後期:2008年3月21日(金)〜 4月12日(土)
だそうです。

ゆっくり動きながら高速でこなす?

ゆっくり動きながら高速でこなす、一流の研究者のDoingリスト(Lifehacking.jp)

面白かったのは次の一瞬でした。12年前の記憶を呼び起こしながらファイルを探していると、探していたのとは別のファイルのディレクトリを発見したのです。
彼はちょっと顔を曇らせると「こんなところにあったのか…」とつぶやき、「でも今やっていることから離れるのはいやだな」と言ってリーガルパッドの方に、ディレクトリの情報をささっとリストの最後に付け加え、それまでやっていた作業を続行したのでした。
リストの作業は例外無く上から容赦なくこなしてゆき、発見できなかったものについては次に行なうべきアクションをリストに書き込んで、その日の会談は終わりました。
ほんの1時間程度の作業でしたが、この黄色いリーガルパッドが、私に非常に深い印象を与えました。
(中略)
……確実にこなしてゆく作業の裏で、「次になにをすべきか」という思考がフル回転している、そんな印象がありました。
黄色いノートパッドはそんな彼を脱線させないための「いま、何をしているか」のリストなのだということが見て取れました。実際、彼はリストに書かれている以外のことは、いっさい実行していません。
見つからずにいったんあきらめたファイルを「あ、あそこだったかも」と思い出した場合でも、そのコマンドを打ち込むのではなく、リストにそれが加わってゆくのです。
そしてリストの一番下までいったところで、「すべてのタスクが完了している」のではなく「完了しなかったものにかんするアジェンダが立ててある」という状態であったのにも注目すべきだと思いました。
このリストのうち、打ち消されていないものが、次のリストに加わってゆく訳です。単純で、アクションだけに根ざしたリスト作りのお手本を見ているようでした。(強調はatomon)

日々の仕事をこなすのは、なかなかこうはいきませんが近づければいいなと思います。


もう一つ。
ネット社会でのコンテンツ共有(つまりアンチ著作権強化)を訴える組織の集まりで、ケンブリッジ大のリサーチフェロー(経済学)が講演したそうな。
Shaping the Future forum: Rufus Pollock: Open Knowledge(SCA Blog)

An example is the commercial photographer who first resisted putting his photos on the image-sharing site Flickr under Creative Commons because he wanted to protect the commercial value of his work. He was persuaded to try putting just a selection of his least commercial photos on Flickr under a Creative Commons licence. He found that the experience of feedback and interaction he gained from doing that was a different experience to the commercial one and both were incredibly valuable to him.

著作権なんか取っ払って世の中に頒布したほうが、知名度上がってはるかに儲かるんじゃないですか?というお話。
この記事ではちょっと叙述が簡単すぎてピンと来ないけど。