音楽業界最大の失策?

音楽業界の過去最大の失策は「ネット戦略」ITmedia News)

だが米音楽誌Blenderが先日発表した「音楽業界史上最大の失策トップ20」のリストでトップの座に輝いたのは、このディック・ロウ氏の10億ドル規模の判断ミスではなく、「レコード会社がインターネットを十分に活用できなかったこと」だった。

 大手レコード会社はファイル交換サービスNapsterの数千万人のユーザーから利益を上げる方法を考え出す代わりに、2001年に同社を廃業に追い込んだことに対し、最高に不名誉な評価を受けた。Napsterを廃業させても、結局ダウンロードユーザーはほかの数百ものサイトに散らばっただけで、音楽業界はそれ以来、厳しい不景気に見舞われている。

 「インターネットで無料で楽曲を入手させないためのレコード会社の取り組みは、ハリケーンにコルクでふたをしようとするようなものだ。P2Pネットワークでは毎月10億曲以上の楽曲ファイルが交換されている」とBlender誌はリポートで指摘している。このリポートは最新号となる4月号に掲載されている。

このBlender「最悪な作詞家ランキング」(1位はスティング!)とかを発表してとにかく話題性狙いなイメージがあるんだけど、こういう声がアメリカで上がっていることを日本の大手メディアも伝えてくれるといいんですけどね。
著作権についても、海外ではクリエイティブ・コモンズを中心にもっと闊達に議論されているのに、日本でほとんど報じられることがない。CDの売れ行きが減ったとかWinnyプログラマーが逮捕されたとか、そんな話ばかりで。私もついこの前まで報道媒体の末席にいたので偉そうなことはいえませんが、日本のメディア人には海外からの情報をさえぎりたい精神作用でもあるのでしょうか。
ところで、この前レディオヘッドが価格を自由に選べる形式で新アルバムを配信したところ、無料でダウンロードする人が全体の6割に上ったそうですが(ITmedia News)、気になることは2つありますね。1つは利益率。ネット配信なら当然CDの生産費用や搬送費用がかかってないわけで、レディオヘッドのこれまでのアルバムと比べて粗利益率はどう推移したのか。売り上げ額よりはそっちが気になります。
それからレディオヘッドの次のアルバムのセールスです。もちろんアルバムのクオリティ次第な面も大きいでしょうが、このネット配信で知名度が向上し、売れ行きに変化が生じるのか。「P2Pなどでのコンテンツ流通は作品のPRになっている」というCopyleftな人たちの主張に対して、何か材料を提供してくれるのかどうか注目したいところです。