へえ

今話題の「共謀罪」の根拠条約って、「テロ対策」を明確に除外してるんだ。
石田日記(9月17日の日記参照)

1992年にイタリア・マフィアによって暗殺されたファルコーネ予審判事に因んだ財団によって組織された越境的な組織犯罪防止の為の条約起草に関する非公式会合の報告書(1997年4月、パレルモ)に、1997年12月に国連総会が注目することを表明してから始まったのがこのTOC条約である。つまりマフィア対策の条約である。

 さらに、明確にこの条約は「テロ」を除外している。何故なら、条約交渉の最後の最後まで、「テロ」を入れるかどうか交渉して、「入れない」lことに決定しているからだ。「入れない」理由は、「テロ」の定義が不可能だから。

ただまあ、テロと明言してないだけで組織的な犯罪行為を取り締まるものではあるんだろうな。
マフィアだってテロと言えないことは無いわけで。


それから、
最近欧州の宗教関係者が奴隷制について謝罪をしているらしい。
Apologizing for Slavery and Colonialism (Opinio Juris)

なんでも欧州の教会関係者の代表団が欧州人がジンバブエなどアフリカで行った奴隷制について謝った。
で、英国国教会も謝罪を行っている。そのコメントの中に、

The Rt Rev Tom Butler, Bishop of Southwark, told the synod: "The profits from the slave trade were part of the bedrock of our country's industrial development. No one who was involved in running the business, financing it or benefiting from its products can say they had clean hands.

"We know that bishops in the House of Lords with biblical authority voted against the abolition of the slave trade. We know that the church owned sugar plantations on the Codrington estates."

ってのがある。
このエントリーの筆者も「今さら言われてもしょうがない、とは言われるだろう」みたいな事を書いてるけど、まあやらないよりはやった方がいい。


GuaradianやBBCのアフリカレポートとか読んでて時々不愉快になるんだけど、アフリカのの惨状を招いたのは全部ヨーロッパ人、特にイングランド人なんだっていう自己批判が足りないように思えるんだよね。
スーダンでも、今だけ眺めれば武装勢力を煽ってる現地政府が悪くて、人権的に何とかしなければ、国連は何をやっている、といった人事のような批判をするのは難しくない。けど、前世紀に圧倒的な搾取を行ってアフリカの人々を貨幣経済の末端に組み入れてしまったのはイギリスを始めとするヨーロッパ人だろう。


BBCは時々、日本の戦争責任や補償問題、靖国問題について辛口な報道をするんだけど、その伝でいけばまずイングランド人自身がアフリカ人に恒常的に謝罪し、積極的に身を削って(あたかも中国人が日本人に要求しているように)無償の活動を展開しなければならないだろう。また、その視点から政府を批判し、世論を盛り立てる必要があるだろう。
BBCやGuardianのジャーナリスト達はそれをやってるのか?私は寡聞にして知らないけど、実際イングランド人がそんなことを露ほども考えて無くても驚きはしない。


もう一つ、
最近話題のローマ教皇イスラム発言問題について全文(英語)のリンクを紹介した上で精細なコメントをつけておられるサイトがある。

eirene-ローマ教皇・ベネディクト16世の講演全文を読んでみた


非常に参考になります。