時々聞かれる宗教的なことについて

ヨーロッパの人から「日本人はどんな宗教を持ってるの?」とたまに聞かれる。
答え方はいくつかあって、「そりゃあもう男女の交わりが悟りを開くなんて素敵な宗旨でございます」とか「スーツを着たおっさんが唯一神で東京に」とか冗談を言うことも出来るだろうけど、今日一つちょっとまじめな答え方を思いついた。
「日本人は時々『僕らは宗教を持ってません』ていうけど、実際は持ってます。ただ、彼ら自身にもそれがなんなのか識別できないだけです(they cannot identify it)」というもの。前説としては、日本には儒教と仏教、神道の三つの潮流があって、その混合された状況が日本人の精神を作ってるんです、というあたりからはじめるといいかもしれない。
いろんな人が指摘しているけれど、ヨーロッパの人にとって、「宗教を持ってません」というのは微妙にショッキングに響くらしい。若い人であんまり宗教を熱心に信じてない人でも、全体論として「日本人に宗教はない」といわれると「え」という顔をすることが多い。まー個人的な体験で、統計的な基盤があって言ってることじゃないんだけど。
ヨーロッパ人の機嫌をとる必要はないだろうが、「無宗教で」というのは事実として間違っている。それは上に挙げた神道だの仏教だのがある段階で、そしてそれらが全然排斥されてない(無視はされてるだろうが)段階で明らかだろう。だから、何か違う言い方をしたほうがまあ寝覚めがいいのじゃないだろうかと、そういう話。