前原民主党代表ですかあ。

あまり長く書いてる時間はないけれど、ちょっとメモ。
面識もないしよく知らない人だけど、京大の故高坂正堯教授の教え子で国会中継なんかで目立ってるタカ派の人、という認識はあった。このあたりのコメントを読むと、「坂本義和ではなく高坂正堯だ」というところに彼のかなり本質的な部分が出ていると思う。
若くして党首になった、ということでイギリス労働党のブレア氏とも比較できるかもしれない。ただ、首相就任時ブレア党首にはゴードン・ブラウンプレスコット、故ロビン・クック(彼は離反したけれど)がいた。彼らは「第3の道」という共通スローガンをきっちり掲げて党内融和を果たし、1997年には与党の地位を獲得した。この力のある補佐役と党内融和という点で、前原氏はどれだけの追い風を得ているのか気になる。
彼は有為な存在かもしれないけれど、彼一人で何が出来るわけでもない。彼には小泉首相のような常々「変人」と呼ばれてきたクレイジーさが欠けているように思えるし、一人でカリスマ的な人気を博するには、やや知的過ぎる。となれば共通の国家コンセプト(個々の政策を超えるもの)とそれの党内コンセンサスが必要だろう。
今回も党首選で名前が出ていた菅氏だったけれど、代表にならなくて正解だろう。彼はわざわざイギリスでブレア氏のブレーン、ギデンズに会いに行ったりして自らをブレア首相になぞらえたかったのかもしれない。けれど、恐らく彼の本質的な部分はブレア氏とは程遠い、旧タイプの活動家型というか、政治職人気質だったんじゃなかろうか。いくつかの情報を読んでいると、菅氏は大人数のグループをまとめあげるスキルを持ってなかったのではないかと思える節がある。自分を支えるスタッフの数がとても少ない、とか。その点、前原氏は菅氏よりはブレア型に近いだろうけど、先にも述べたように問題は党内体制だろう。これは誰をどのポストにするか、とかいう人事の問題じゃなくて、民主党議員はどういう国家理念(とそれをベースにした細かな具体的政策)を持って政治に取り組むか、というスピリットのすり合わせが必要なのだ。
ただそれ以外に、民主党の議員に常々感じるんだけど、彼らは「日本」をどうしたいか、ってのがよくわかんないんだよな。日本は対米とか対中とかあるいは国内政治の対自民党とか、政治的リアクションの集積じゃない。文化がある、国民的志向があり、さらに政治によって導かれる国民性がある(戦後アメリカナイズされたように)。そういう歴史的地平での垂直軸(過去から未来へ)的な視野が、菅氏を含めて民主党議員には全然感じられない。個々の政策は水平軸(現在における様々な社会的様相)に絡むので、その辺は良く勉強してるしすごいな、と思うんだけど。自民党議員のほうがどっぷりと日本政治のDNAに浸って生きているだけに、むしろ垂直軸上のアイデンティティ民主党議員よりしっかりしているように思える。
大急ぎで書いてるので、取り留めないけれどやっぱり時事の話は今のうちにメモ、ということで。