mixiについて

ここのところ株価急落のミクシィ(2121.東証マ)ですけども、大和総研が援護射撃となりそうなレポートを出したとか。


ミクシィ---大幅続落、大和では反論レポート/新興市場スナップショット

なお、本日は大和が反論レポートをリリースしたようだ。株価急落のきっかけとなった「PCからモバイルへのシフトによる収益力悪化」を主軸とする論調は誤解が多く、モバイルシフトこそが成長のキーであると。



モルガンスタンレー三菱UFJと相次いで投資判断を引き下げる中での反論ということで注目の見解。
けれど、もし仮に大和の言ってることが正しく、モバイル移行が成功のカギであるとしても、3月3日から始まった例の「利用規約改悪問題」に対してはなんのフォローにもならない。


ミクシィの売りは圧倒的な会員数に加え、各界の有名人や一線級のクリエイター、ビジネスパーソンを会員に抱えるブランド性。言い換えれば、企業としての成長性の担保は会員そのものにある。
アクティブ率が下がろうがPCページビューが落ちようが、ある意味このインフラさえ堅持すれば、まだ将来へ希望をつなぐことができる。けれど、今回の利用規約改定は、プライベートなコミュニティとしての特質を失うような規約改定を突然行おうとしたことで会員の不信感を煽り、さらに有名人会員たちにとってもっともセンシティブな著作権の問題で軽率な手を打ってしまった。


利用規約改定を撤回・大幅修正しないとするなら、ここでの挽回方法はただ一つ。利用規約改定後に発売する商品や何らかの商業展開でそれなりの成功を収めることだけど、これとて一種の焦土作戦に近いやり方だ。ミクシィから見て商売のネタになりそうな日記やコミュニティを運営してる会員が、なぜ好き好んで著作者人格権を行使できないSNSでアイディアを垂れ流さなければいけないのか。当然、長期的に見れば会員たち自身が持つ「コンテンツ力」は衰える方向へ行くでしょう。


というか、大和さんが言うようにモバイル移行こそ成功のカギであるなら、そもそもなぜこうも株価が下がり、ミクシィ側も会員をガン無視した妙な利用規約を急造してまでビジネス展開を早めようとしたのか、いまいち理解できないわけですが。
もちろん、本当に需給等以外の反発要素があれば、4月以降に株価が持ち直すかもしれませんけどね。