中国と台湾とアメリカ

前のフラットから見えた景色

産経新聞のこんな記事
イラク方面ではでかい軍事行動も起こせないし、アメリカとしてはここらで新しい戦争ネタの仕込ってところですか。中国は様々な面でロシアとの提携を強めていたり、いろいろ言われてるけど反国家分裂法制定などで勢いを強めてるのは簡単に見て取れるわけで。漢級原潜が日本領海に侵入なんて報道を見てれば、特別なリソースがなくたって中国軍の急激な増強なんて素人でもわかるだろう。


いつの日付かは忘れたけど、昨年カナダ在住の台湾人ジャーナリストが毎日新聞に寄稿していて、その中で中台戦争の勃発を規定路線として論じていたのが凄く印象的だった。その当時は中国人や台湾人の友人もおらず、台湾という国そのものに疎かったこともあり(今も全然知らないけど)、「日本の外ではこんな認識なのか」と驚いた。
現在、私が知り合った中では4人の中国人が台湾について「自分の国の領土だ」といってると直接・間接的に聴いた。一人は中国の現役官僚で、ごく普通に笑いながら「台湾は国じゃないし」。一人は元裁判官で、ある語学の授業でイギリス人の先生が台湾を国として数え上げたところ授業中に猛抗議。あとのふたりは大学をでたばかりの若者で、一人は台湾人に直接「何で台湾は中国と一つにならないの?」と無邪気に質問したらしい。もう一人は10代のうちに共産党員になった子で、「なぜTaiwaneseというのか。台湾は国じゃないのに」と憤慨していた。
一方、台湾から来た人間は、やはり基本的に中国のことを好んでいない。友人の一人は台湾大学から来た学生で、こちらで法輪功のデモを見たときにとても愉快そうに笑っていた。中国のものは、「百度」のようなサイトでもあまり好きではないらしい。一緒に住んでいた台湾人フラットメイトが言うには、「中国から来た蒋介石の死後、とても大きな抗争があって台湾本来の独立を取り戻した。みんなで苦労して勝ち取ったその独立を中国に奪われるなんてとてもやりきれない」とか。上の学生は、もともと中国は領土としての台湾に興味を示してこなかった、とも話していた。
中国の歴史にはそれほど詳しくないが、「外征」という枠組みで中国の行動を考えると、とてもしつこいように思える。唐、漢のように西域にはそれこそ何度も兵を出しているし、ベトナムにも繰り返して侵攻している。チベットだって、歴史的な見地から考えると非常に中国的な行動の仕方だ。そう考えると、良くはわからないけど、中国は一度侵攻すると決めた場合その決定をそう簡単には変えない、という理屈が成り立つのだろうか。とすると、共産党政権がいつなくなるのかは知らないが、仮に共産党政権がなくなったとしても、台湾は依然として中国の統一対象となる、ということだろうか。