飽食のMAKE POVERTY HISTORY

atomon2005-07-03

スコットランドのグレンイーグルで6日から開かれるG8・先進8カ国首脳会議に合わせ、エディンバラで2日に開かれた貧困撲滅のための大規模デモに参加してきた。このBBCの報道(英文)によると、22万5000人が参加したらしい。
今回の標語は「Make Poverty History(貧困を歴史の彼方に)」。まあエディンバラで開かれたイベント自体はシンプルなもので、エディンバラ大学近くの大規模緑地(メドウズ)を舞台に午前11時ごろから開始。どっかの枢機卿とか俳優なんかのスピーチが始まって、午後12時からは参加者はメドウズを出発して中心地へ向かった。順路はぐるりと中心地を歩いてまたメドウズに戻るもので、おそらく上空から見れば人の輪がエディンバラ中心市街地を囲む絵になっていただろう。
午後7時半までイベントは続き、メドウズでは三つほど建てられた特設会場でミュージシャンたちが音楽を演奏していた。ただ正直な話、同じ日に世界中で開催されたLive8の映像を延々流し続けてくれた方がありがたかった、というのは内緒だ。
小さい町のことなので二度マーチ順路を歩いて、いろいろ写真を取った。で、途中で気がついたんだけど、メドウズの会場ではファーストフードの出店が数多く並んで、長蛇の列が出来ている。その隣のゴミ箱には収まりきらない食べかす、プラスチックの食器があふれかえり、小山をなしている。捨てられたプラカードやゴミが緑地にたくさん散らばり、順路でもゴミ箱からはペットボトルやフィッシュアンドチップスのプラスチックケースがこぼれ出ている。
一応このイベント、貧困撲滅なんだよね。今、アフリカでは貧困のために凄いたくさんの人が死んでて、そのためのデモなんだよね。いや、こういう娯楽性を高めたやり方じゃないと一般人が関心を持たない、というのはわかる。ストイックにやっていて人が関心を持たない、大規模なメッセージを発することが出来ないんじゃ本末転倒だ。しかしどうにも複雑な心境になって疲れてしまい、もう少し長くいる予定が夕方早々に退散してしまった。


ちなみに本日は世界各地のNGOが合同で開催している「G8 Alternative Summit」に行ってみた。全体のディスカッションはなんか面白くなさそうだったんでこちらも早々と撤収し(理想論ばかりを語られても眠くなってしまうんだよね)、たくさん開かれたワークショップのうちからイラク問題に関するものにでてみた。日本では見ることが難しいファルージャの戦争直後・現在の映像や、イラクはアブ・グライブ収容所での虐待問題を実際に取材したジャーナリストから話が聞けたのは、なかなかいい時間だった。イラク戦争当時の米マスコミのあり方を徹底取材した映像作品を見れたのも楽しかったし。