恒例のモルガン・スタンレーから3つ。
為替:世界的な不均衡は悪いことか?
 ……アメリカの経常収支赤字はゆるやかに縮小可能であり、米ドルの調整は起こらないだろうと推測。個人的には、素人も読むレポートでいきなり経済モデルを持ち出して自説を補強し始める手合いは信頼しないことにしているが(その理論が前提とする諸々を知らないし、素人的には目安となる情報、つまりその理論がどの学派から、いつごろ、どのような文脈の中で出てきて、実際学界ではどのように評価されているのかが即座にはわかりえないので)、私自身強固な定見を持っているわけではないのでメモ。
グローバル:残された我々の戦略
 ……主にインドのサービス産業の特殊性を検討し、先進国はこれらの挑戦に対し、保護主義による自己防衛ではなく自国の市場・経済・教育などの戦略の再考が必要であると主張している。
アジア/太平洋:極めて重要なインドネシアとフィリピンの選挙
 ……両国は外国直接投資の誘致先として現在のところ不適格であり、経済振興のためには農村開発の促進が重要であると主張。タイ政府が進めるデュアル・トラック開発戦略にヒントを得るべしとも。ネットで見られる日本のシンクタンク発表のレポートとはまるで論調が違っていて興味深い。