US abandons bid to renew war crimes immunity for its troops (CHANNELNEWSASIA.COM)
 ……この報道によると、アメリカは、国連平和維持活動に携わる米関係者が国際刑事裁判所ICC)での訴追を免除される国連決議の効力延長申請を放棄したようだ。一度は「今回の一年分の延長で最後にする」と妥協案を提示したのだが、イラク人捕虜虐待のあおりを受けた投票参加国のあまりの不支持ぶりに、撤回せざるをえなかったらしい。
(別の記事で、「訴追免責決議は今回限り 苦境の米、修正案で譲歩」(YAHOO!))
なお、この決議は国連平和維持活動に参加する人間を訴追出来るか否かに関わっている。つまり、国連の了承なく行った現在のイラク戦争でのアメリカ軍の振る舞いはこの決議の範囲外であり、ICC自体の司法権も及ばないとされる(この文書でのディッカー氏の見解に基づく)。そこで、私自身きちんと資料を読まないうちに書いてしまった19日のメモの一文を削除した。もしも私の記述から誤解を抱かれた方があったら深くお詫びするとともに、詳細な箇所については更新と訂正をご覧いただきたい。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ハイテク大手が団結 「公正使用権」法案を推進(ITメディア)
日本のコンテンツ保護は厳しすぎる―なぜ戦わないのか?(ITメディア)
 ……よくわからんけれど、下手をすると将来日本の音楽業界とかの著作権指向緩和のきっかけとなるのは、彼ら米ハードウェア産業発の外圧だったりするのだろうか。これまでのところ、あまり国内からの改革圧力は高くなさそうだし。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
グローバル・ストラテジー・ブルティン(PDF、モルガン・スタンレー
 ……米国、欧州、日本、アジアなどの市場の概況について。中国の生産と米国の消費の減速を予測している。不動産バブル、及び近年引き続いているバブルの連鎖については、FRB金利引き上げの出方次第であると説く。
バブル崩壊後の中国の姿(関志雄、経済産業研究所、RIETI)
 ……失業増大、設備過剰、不良債権悪化の三つを柱に「バブルが崩壊した後の中国」をシミュレートする。
CEC Council Sets Vision To Guide The North American Environmental Agenda (英文、IATP)
 ……アメリカとカナダ、メキシコが環境政策について意見を調整するCEC(Commission for Environmental Cooperation)が、今後10年の方針を定めたという話。三つの優先課題―意思決定を支える環境に関する情報の促進(?)、メキシコでの環境保護・改善管理に重点を置いた国内体制の構築、貿易と環境のつながりについてさらに理解を深めること―を挙げている。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
三位一体改革その後―補助金改革以降に求められるもの―(PDF、鈴木伸幸、野村総合研究所
 ……地方分権と税源委譲がもたらしうる、地域ごとの福祉政策などでの質・量両面の不均衡とその克服について、主にスウェーデンの例を挙げながら検討している。ここで少しだけ出てくるイギリスの事例は、主として80年代以降の保守党政権による教育改革の影響が大きい。
保守党は学校財源の面での地方委譲をはかりつつ、一方で教育カリキュラムでの中央集権化を行ったと指摘されている。その結果学校側の成績偏重主義、財政的な合理性にマッチしない教育問題の忌避(特に障害者教育などについて)といった傾向などが見られるようになった。97年に成立した労働党政権は保守党の市場主義を一部修正しつつ、いまだ80年代の痕跡が残っている、というのが現状のようだ。せっかく後発の立場にいるのだから、日本での分権論議でもこれらの教訓が包含されたほうがいいのではないかと思う。
余談だが、現在のイギリスでは生徒の不登校について親が適切な対処・監督を怠った場合、責任を厳しく問う姿勢になりつつある。そのほかの生徒のケアやサポートでも、親の責任を重くみる方針がとられているようだ。