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特に重大な話題というわけではないのだけど。
・貿易手続きの効率化に向けて(PDF、日本貿易会月報)
……ここに出てくるFAL条約というのが気になる。港湾作業での迅速化を図る国際標準を定めるものなのだそうだけど、正式名称はthe Convention on Facilitation for International Maritime Traffic。これのどこが「FAL」なんだろう。愛称かな。
・海外経済・金融Weekly(PDF、三菱証券)
・みずほ米州インサイト・ブッシュ大統領の再選を阻むのは何か(PDF)
・中国の「投資過熱」発生のメカニズムと今後の動向(UFJ総研)
・米国の孤立主義と欧州・亀裂修復に動く米欧の思惑 (田中直毅、21世紀政策研究所)
……以上はアメリカや欧州、中国の情報を整理するよすがに。
・<新ラウンド>経産相と欧州委員 例外品目容認で一致(YAHOO!)
……農業産品での高関税の廃止に向かっている世界的な流れの中で、日本のコメ(関税率490パーセント)を例外品目扱いするようEU側との意見が一致した、ということだろうか。
一方で、この日のメモで紹介した日本農業の構造転換について、より踏み込んだ意見が提起されている。
・直接支払いの必要性と展望(山下一仁、経済産業研究所、RIETI)
……本文は日本の近代以降の農業政策について、戦前から戦後の農地解放、農業基本法成立に込められた改革者たちの精神を経て、現在日本農業が直面する状況までを幅広く、情熱を込めて説き起こす。
主な論点は、現在政府が取っている高関税・高米価、生産調整といったこれまでの農業(主にコメ)保護政策。筆者は、硬直的で消費者にとっても不利益なそれらのスタイルを改め、国際的潮流である農業産品の関税引き下げを念頭に置くべきだと主張する。そして、昨年来議論の俎上に上りつつある「直接支払い」(政府が直接農家に助成金を与える仕組み)を効果的に施行するための試案を提起する。
以上の論考の背景として、筆者は柳田國男や和田博雄ら、近現代の日本農政に携わった人間たちのエピソードを紹介している。これを読んで改めて思うのは、自民・民主、あるいは官僚といった立場を問わず、日本を現在背負う人々に一体どれだけ、彼らのような明確なビジョンがあるのだろう、ということだ。その場その場の賢慮や愚考、改革やびほう策ではなく、最終的に「この国をどうしたいのか」、国民を「どこへ」導いていきたいのか。私は知りたいと思う。