私たちのフラットでADSLを引こうと動き始めてはや1カ月超、いまだつなげていない。
そもそもの始まりは、入居当初からフラットにぽつんと置いてあった電話機だった。私たちが電話機を買わずとも、そして電話会社に使用申請をせずとも最初から使える。あとから考えるとこれが少々奇妙だったわけだが(だって誰が使用料を払ってるんだ、それに誰の電話機なんだ)、私を含めうっかりものばかりのわがフラットでは深く疑問を感じることもなく、のほほんと日常生活でその電話を使っていた。
で、いざインターネットに加入しようとBT(ブリティッシュ・テレコム。NTTみたいなものでADSLサービスもやっている)のサイトにアクセスし、この電話番号を入力してみると、「うちの回線じゃないかも」と言われ申請不可。さらに某ケーブル会社のインターネットサービスに登録しようとすると、「確かにあなたのエリアで私たちのサービスを提供しているが、現在あなた方は利用できない」という返事が返ってくる。
まるで五里霧中、なんのことだかさっぱりわからない状況だったものの、どうにかこの電話回線の正体が当の某ケーブル会社提供のものであることがわかった。遅々として進まない申請に業を煮やしたフラットメイトがこのケーブル会社に電話をかけて確認したところ、ついに問題の全容が判明した。
つまり、前に住んでいた住人がこのケーブル会社とインターネットと電話込みのサービスを12カ月契約で使っていたのだが、契約期間満了前に住人が退去。しかしいまだ期間自体は残っている上使用料もすでに払っており、依然としてこの電話は生きている、ということらしい。同じフラットでまだ先の住人の契約が生きているケーブル会社のサービスに申し込むことは不可能で、私たちはまた最初から申請作業のやり直しとあいなったわけである。
この旧電話回線はケーブル会社が敷いたもので、当然うちのフラットにもうひとつ、使われてなかったBTの回線もあった。しかし、すでに発信音がなく(発信音があれば申請後即座に利用可能)一度エンジニアを呼んで作業をしてもらう必要があるとか。で、そのアポイントメントが11月末。ふざけた話だが、一期にひと月先まで話がジャンプしてしまった。……という次第。
まあとことんこちらの立ち回りも悪かったし(積極的に推理したり動かなかった)、今にして思えば、世情に長けていればはじめから想像のつく問題だった気もする。だが、学ぶべき教訓の多い出来事だったなあとも思うわけです。つづく。