そんなわけで(前回から続く)、近頃わたくしはマタイ伝的懊悩を胸に秘めて日々を過ごしていたわけだが、本日それがあっさりと崩れた。
もともと無理そうなんである。窓口に行って「来期からこちらの大学院に通うんですけど、今のお部屋の契約って延長できますぅ?」と聞いてみたらば、「今はなんともいえない」と返されたのだ。で、今ではなくて何時ならよいかというと、ほかのあらゆる(つまり学外から新規参加者も含めた)学生と同じように、入寮希望書を出して審査された上ならばもしかして、ということ。
しかし、これはどう見ても状況が一度シャッフルされ、今私が一つの部屋を占有している事実など関係なくなってしまうことを意味するだろう。もし仮にこの寮区画(ここはいくつかの寮が立ち並ぶ複合施設である)の、さらに今の寮への入居が認められたとしても、同じ部屋に当たる確率はゼロに等しい。また、現在のこの景観に面したブロックを割り当てられる確実性も低い。
早い話が私も現地にいる利を活かして「ごね得」を狙ってみたわけだが、難しそうであると。確かに落ち着いて向こうの立場から考えれば、私が今の部屋をことさら希望する必要性が見えないだろう。もともとこちらの学生はよく寮を移動するし、この寮自体も学部生主体。うるさくて学校からも遠く、それら問題点を回避できる大学院生用の寮も完備されている。まさか「景色がいいのでそのままにしてください」など、いくら私がレオ様真っ青の鉄仮面的面の厚さでも、恥ずかしくて言えやしない。
というわけで、もう少し善処してみるけれど、九分九厘移動することになりそうだ。うーむ、でももしかして受付で「エー困っちゃうんですぅ今のお部屋にしてくださぁい(泣)」とかごねれば何とかなるかも知らん。が、いい年もしていい加減大きめながたいの男がシナシナしてる様など、想像してるだけでこっちも気分が悪くなる。まあよしておこう。
(後記)
ただ、あとから思うとふたつほど「こちらの状況が間違って伝わってないか」ということがあって、自分の意思伝達能力にさらに課題を感じる一日でもあった。