今度はどこに住もうかと、わりかし凄い勢いで考えている。
今住んでいる寮は、さまざまな意味で制約が多い。毎朝清掃員さんが部屋に入ってゴミを片付ける時間も決まっている。だから、うっかり人様に見せられない格好で布団もかぶらず寝ていると、清掃員さんが普通に入ってきて微妙に気まずい展開に、ということにもなりかねない(実際そういう事態があったか否か、については詳細を語らない)。
それに、前にも書いたけれどここは学部の1年生が多く、なかなかににぎやかだ。学生さんは見た感じ中流家庭のお坊ちゃんお嬢さんが多そうで、しつけにうるさい親元を離れた喜びでみんなはしゃぎまくり。もっとも自分が過ごした学部生時代を考えるとまだ品がよくておとなしいほうという気もするけど、いずれにしても夜中だろうが音楽の爆音なりドタバタなりがそこそこにある。
それがいやなら、最善の答えはわかっている。大学院生専用の寮に移り住めばよい。音やマナーもそうだが、学校との近さやさまざまな意味でそちらのほうが至便である。ならば何を悩んでいるのかというと、今の部屋は抜群に景色がよいのだ。窓からはちょっとした山と湖、それらを利したゴルフコースという景観が広がっている。この部屋を訪れた現地人もビックリの素晴らしさ。私は冬枯れも真っ最中の1月にこの部屋にやってきたが、それでもここに割り当てられてラッキー、とか思ったりした。
これはまさに、99匹の羊を救うか1匹の羊を救うか、打算をとるか精神の崇高さをとるかという、聖書的状況ではなかろうか。などと勝手に頭の中で煽っては、腹が減ったなあ、と脱力しているこのごろである。