愛、閑散と。

いや、いい加減にしないと。
それはさておき、寮内からほとんどの人々が去ってしまった。
この建物には160人ほどが居住できるのだが、12日を境に9割方の学生たちが一挙に撤収する。昨日まで音楽だの笑い声だのにぎやかだった寮内が急激に森閑とする有様は、なかなか大きなギャップとなって身に迫ってくる。
ただ、この鮮やかな生活風景の変転は春休み突入時にも経験しているので、今回はあまり違和感がない。私がこの寮に残っているのは単純に考えもなく帰国便の飛行機のチケットを25日で予約してしまったからだが、まだ居残っている医学生らは試験があるわけで、お隣のマレーシア出身のお姉さんががんばっている傍らでのほほんとネットなどに打ち興じていると、少しばかり罪悪感を覚えたりする。
本日はほんの少し気持ち的に重い書き物をして、これからの予定などを組み立てる。海外旅行に行くことも考えないでもなかったのだが、そんなことより私はスコットランド自体よく知らない。この半年、帰国した以外でこの町を出たことさえなかったのだ。
たぶん学期間であろうと、旅をしたり酒を飲んだりしながらでもやることさえやれば結果が出るのかもしれない。けど、いささかかったるい状況だったのも事実なので、そうそう浮かれた気分になりきれなかった……。ということで、遅まきながら今頃はしゃいでいるわけである。
で、まずは地元からということでこの辺り一帯をでも回ってみようかと考えている。